ポテトで作ったクネーデル (Kartoffelklößchen)

ドイツのクネーデル（Knödel）というダンプリング(餃子)料理には種類がたくさんあります。母がいつも作っていたのは、普通のクネーデルより小さくて、イタリアのニョッキに似ているもの。基本的な材料は、茹でたじゃが芋、それから、小麦と玉子です。

母のふるさとの料理です。

母の実家はズデーテン地方にあって、そこは曽祖母の若かった頃にはオーストリア・ハンガリー帝国の一部だったけれど、第一次世界大戦後、チェコスロバキアの一部となった。ドイツ人が多く居住していた地域だったから、ナチス・ドイツ時代にはドイツの一部になって、第二次世界大戦後、再びチェコスロバキア（現在のチェコ）に復帰することになった。難民になった母、祖母、曾祖母は、難民キャンプや下宿先での滞在を経て、ドイツの西南部に新しい定住の場所を見つけて移住することにした。故郷から持って行ったのは家具などの荷物じゃなくて、記憶に残っていたボヘミアン（チェコ）地方やオーストリア、ドイツの家庭料理のレシピでした。

母によると、このクネーデルは母のふるさとだけではなくてザクセン州でもよく作られた主菜（一品）だったそうです。

皮付きのじゃがいもを前日に茹でておくのが望ましいです。もし当日茹でたのなら、じゃが芋が完全に冷えてから使いましょう。

じゃが芋と小麦粉の分量によって、食感が異なります。団子みたいな食感が好きなら、小麦粉の分量を増やすといいし、やや柔らかい口あたりが好きなら、小麦粉の分量を減らすといい。このやり方で口に合う好きなものを作ることができます。

小麦粉は、少なすぎるよりは、多めに加えてみた方がいいかもしれません。小麦粉の分量が少ないと、クネーデルは沸騰したお湯の中で分解してしまうからです。生地をあらかじめ一個を作って、テストとして沸騰したお湯に入れてみて、崩れなければオーケーです。崩れてしまったら、生地にもっとコシがでるまで小麦粉を加えてみてください。生地は、ベチャベチャにならないように、手にくっつかないぐらいの固さにすることが大事です。

ここでのレシピは、ソース付きのものを紹介します。実は、クネーデルと他の料理との組み合わせは無限だから、好きなソース、または、野菜をお好みで加えて、美味しい料理を作ってみてくださいね…