今回はレシピじゃなくて、代わりに、薬草について話したい。今回、紹介するのは、リーブシュテックル(独: Liebstöckel, 日:ロベージ、ラビッジ、ラベッジ、学名: Levisticum officinale)といって、日本にない植物で、ドイツでも最近あまり使われなくなったハーブなのです。
リーブシュテックルの名の由来は、はっきり分かっていないのですが、このハーブは歴史上、たくさんの名前で知られているそうです。リーブシュテックルの語義は二語で形成され、リーブは恋の意味で、シュテックルは、その植物の根を示しているのだ。なぜかと言うと、男性の恋心を誘うために、少女の入浴時にリーブシュテックルを少量加える習慣があって、料理の調味料だけじゃなくて媚薬としても使われたのだ。英語でlove parsleyと言われることもあった。
ヨーロッパ史のローマ時代に書かれた料理書では最も使われていた材料であったそう。だけど、本当にリーブシュテックルかどうかははっきり知られていない。知られているのは、中世修道院の薬草園で栽培されたハーブの一つであったということだ。
味はセロリに似ていると言われるけれど、むしろセロリとコリアンダーの葉を混ぜたような風味と考えられる。
19世紀に発明された、マギー汁(Maggi Sauce)という合成された化学調味料はリーブシュテックルの風味とよく似ているから、20世紀からリーブシュテックルは「マギークラウト」(マギー・ハーブ)とも言われるようになった。
薬草としては、根を使い、その効能は利尿作用や抗菌作用で、キッチンで使うのは、若葉です。消化に良いから、普通のスープ、アイントプフ (Eintopf、ドイツの家庭のスープ料理)、サラダ、クワルク、または、サワークリーム・ソース、肉料理などに万能に使える材料である。